音楽活動など多彩なお仕事をされている山本さん。住居もご自身でDIYされました。
私は在宅で翻訳とグラフィックデザインの仕事を行っています。そのため普段から自宅でパソコンの前にいる時間が長い生活です。休日にはいつも自然の中、特に海の見えるところにドライブに出かけていました。そんな中、田舎に移住することを考え始めました。また、両親が数年のうちに後期高齢者になることもあり、定期的に帰省することを想定し、実家のある大阪からそれほど遠くない地域を探しはじめました。
せっかく移住するのなら海の近い地域にしようと思い、兵庫県、京都府、和歌山県、三重県に絞ってインターネットで色々と情報を集め始めました。そして行き着いたのが「熊野市空き家バンク」のホームページでした。とても分かりやすいホームページだったため、すぐにひと通り目を通し問い合わせをさせていただきました。
対応してくださった移住担当の方も4年前に関東から熊野市に移住してこられたということで、移住経験の無い私が気になっていたことや不安に思っていたことに対して、移住経験者の視点、移住の先輩として丁寧に答えていただくことができ、何度もやり取りを重ねる中で、熊野市へ移住する想いが固められていきました。
具体的に話が進み、ある物件に決めようとしていたところ、条件が合わず別の物件で話を進めてもらいましたが、今度はそちらの募集が打ち切られることとなりました。ですが、丁寧で親切な対応をしていただき、熊野市への移住への想いは変わらず、3軒目の物件で話を進めてもらうことになり、無事その物件に移住することができました。
はじめは空き家バンクのホームページと移住担当者の方とのやり取を通して好感を持ち、熊野市への移住を決めました。ですが、実際に熊野市民になってこちらでの生活が始まってから、私の決断は間違っていなかったことを日々実感しています。
まず、地域の人々の温かさがとても心地良いです。引っ越しのために荷物を運んできた際には近所の方が手伝ってくださったり、野菜やおかずのおすそ分けを頂いたり、まさにイメージ通りの田舎暮らしそのものの生活を送っています。
また、自然の豊かさが日常生活をとても贅沢なものにしてくれています。移住前の私は毎週のように休みに何時間もかけて自然の中へドライブに出かけていましたが、今では玄関を開けると一面田んぼが広がり、後ろを振り返ると豊かな緑の山があります。家から1分ほど歩けば感動的な透明度の川に着きます。車で15分ほど走れば鮮やかな青色の海に着きます。山の中腹から水平線を見下ろすことができるスポットをいくつも見つけました。鳥のさえずりで目覚め、カエルの鳴き声が子守歌のように響く、自然の音に包まれた日常生活は本当に贅沢です。
私は自営業で音響関係の仕事も行っています。移住した家の1部屋をレコーディングスタジオ兼動画配信スタジオに改装すべく、DIYで作業を進めています。これまで関わってきたアーティストさんたちの音楽活動の拠点としてスタジオを使ってもらいたいと考えています。そして、彼らのイベントで熊野市を盛り上げられるような企画をしていきたいと考えています!すでに関心を寄せてくれているアーティストさんたちもいます。元メジャーで活動されていた方たちもいますので、熊野の方たちに喜んでいただけるようなイベントを企画したいと考えています!
また、地域に残る廃校となった学校を活用した音楽関係のイベント、DIY関係のイベント、地域の伝統工芸や産業を組み合わせた企画を展開していけないか色々と模索中です!そして、日本中にある廃校舎の活用方法の一つとして、熊野市だけでなく他地域の活性化にも貢献できればと考えています。
来年からは家の前の田んぼで田植えを予定しています。最終的な目標は自給自足です!
したいことがありすぎて、ワクワクが止まりません!!
熊野市は本当に良いところです!あまり大々的に宣伝するのが惜しいくらい、独り占めしたいと思ってしまうくらい良いところです!ぜひ一度遊びに来てください!
空き家の内覧などで熊野市に来られる際は我が家も見学してみてください!実は私の住んでいる家は、当時空き家バンクに掲載されていた物件の中でも2番目に状態が悪い物件だったそうです(笑。そんな家を素人の私でもDIYで改修できるという参考になると思います!
また、都会生活における人との距離感に慣れている方は、田舎の人々の距離感を近く感じるかもしれません。ですが、これが『地域の人と人が密接に支え合い生活している』日本の昔ながらの生活の姿です。『移住する=その地域に受け入れていただく』という理解が大切だと思います。ですので都会の引っ越しで物件を探すようなイメージではなく、受け入れていただく地域探しをするというイメージを持った方が良いと思います!そして空き家バンク移住担当の方々は、あなたと地域の橋渡しをするために頑張ってくださっています!
ニュージーランドやオーストラリアへの留学経験がある山本さんはオーストラリアで音響について学んだそうです。
現在は大きなホールでの音響を担当されることもあり、音楽活動などを通じた障がい者支援への活動協力もされています。